アナは、フィリピン出身で、私が受講しているオンライン英会話の講師をしている。
オンライン英会話のサイトに掲載されているプロフィールの写真の彼女は、目を引くようなとびっきりの笑顔で、明るくてそれでいて優しい感じにあふれていた。
その写真があんまり好印象なので、彼女のレッスンを受けた。
予想どおり、人柄の良い人だった。
私は講師の経験談や価値観や将来の展望などを聞くのが好きだ。
世界にはいろいろな考えがあり、人生がある。
私の世界観を揺るがす話も聞けるときがある。
アナからもそんな話が聞きたくて聞いてみたりするが、彼女はあまり多くは語ってくれない。
何かあるのかな。まあ、彼女が話したくないなら詮索するのはやめよう、と思っていた。
それでも、彼女のレッスンを受けるたびに、彼女の日々が少しずつ見えてきた。
あのとびっきりの笑顔からは想像できないくらい、彼女は苦労の日々を送っていたことがわかってきた。
具体的な苦労の内容をここに書くのはやめておく。たぶん彼女が望まないから。
あるとき、彼女に「好きな言葉はない? 自分を支えているような言葉とか」と聞いていみた。そしたら、数日後にこの言葉をおしえてくれた。
“My help comes from the Lord who made Heaven and Earth.”
“My help comes from the Lord who made Heaven and Earth.”
(参考訳)私の助けは、天地を作られた主から降りてくる。
詩編121(しへんひゃくにじゅういち、または詩篇121篇、正教会訳で第百二十聖詠)は『旧約聖書』(ユ ダヤ教聖書)の『詩編』の第121目の詩で、ユダヤ人がエルサレムへ巡礼に向かう際に歌った「都に上る歌」(Songs of Ascents)詩編120~134の中でおそらく一番知られている。
「詩編121」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
最終更新 2019年10月11日 (金) 10:01 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org
「この言葉のどんなところが好き?」と彼女に聞いてみた。
アナの答えはこうだった。
“I don’t really have any particular favorite word or saying.
I usually like what I am relate on.
But most of the time, I love what the word of God says in the Bible.
It is my only source of strength, hope, comfort, and truth.”
(参考訳)
特別好きな言葉はなくて、そのときどきで違うかな。
たいていは聖書の中の主の言葉が好き。
私の強さ、希望、なぐさめ、真実はどれも聖書からくるものだから。
彼女とは違い、私は敬虔なクリスチャンどころか無宗教信者なのだけれど、仕事帰りに毎日のようにお参りする神社がある。
神様にはいろんなことを話す。
そしてお願いする。
彼女の苦労がいつか報われるようにと。