20年以上も前の話ですが、サンフランシスコで10か月間ホームステイをしました。ホストファーザーのボブは、仕事も家事も育児もこなす大忙しのパパ。私はたくさんのことをボブから学びました。
ボブの一家の日常
当時、ボブ一家のこどもたちは、12歳、10歳、5歳の3人。ボブ一家の平日の予定はこんな感じ。
朝6時 起床
朝7時 家を出発 こどもたちを保育園と学校へ送る
午後3~4時 こどもたちを迎えに行く
午後4時 家で軽食
午後5時 こどもたちを習い事に連れていく
午後7時 夕食 夜9時 就寝
当時の私は育児を経験していないので本当のたいへんさは知らなかったのですが、それでも休む暇があまりないことは見てとれました。
そんななかでも、私に気をかけてくれ、こどもたちと一緒に何かと連れて行ってくれたり、おもしろいテレビ番組をおしえてくれたりしてくれました。
“Kids are wonderful!”
こどもたちが寝てしまったあと、ダイニングでボブと2人で話をしていたときのことです。
詳細は憶えていないのだけれど、私が「毎日忙しそうですね」と言ったことに対して、ボブは「そうだねえ、こどもは世話が焼けるんだよねえ」と言ったあと、
“Kids are wonderful!”
と続けました。
普段は大げさな表情や表現はしないボブ。だけれど、このときばかりは、見るからに幸せなパパの満面の笑みを浮かべていました。
3人のこどもはこんなパパを持ってなんて幸せなんだろう、とつくづく思いました。
そして、20年以上経った今も、忘れられない一言になっています。
この言葉の意味と深さ
時を経た今、私にも中学生の息子がいます。まだまだ育児真っ最中で、何かと手がかかります。育児の本当のたいへんさを実感しています。当時のボブと似たような状況を経験している今、私もボブと同じように「たいへんなんだけど、Kids are wonderful!」ってやっぱり答えるのかなあと思います。
ボブの現在
昨年、ボブの一番下の女の子が結婚して子どもも生まれました。そう、ボブはもうおじいちゃんになったんです。ボブは相変わらず優しそうなグランパになっていました。