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“Remain the same.”

先日、勤務している大学に、海外の大学から複数の教員が訪問した。
主要な目的はうちの大学の役員との会議だったけれど、その前にキャンパスを案内することになった。それが私の役割になった。

私の普段の業務は、自分の机の上で文書を作成することなので、自分の職場の建物以外、キャンパスを歩き回ることもないから知らない。

キャンパスツアーでは、どこにどんな施設があってだけの説明ではなくて、どんな学部や院があって、学生が何人いてなど、大学の主要な情報だって質問されるに決まっている。
私が人におしえられるわけがない。私がおしえてほしいくらいなのに。

そうはいっても仕事なので拒否できるわけでもなく、事前に付け焼刃で最低限の知識を詰め込み、キャンパスツアーにお客さんを1時間も連れまわした。

予想どおり、ろくな案内はできなかった。

だけれど、一生懸命な私の気持ちは伝わったようで、ツアーの終わりにこう御礼を言ってくれた。

Thank you for your hospitality. You’re great! Remain the same.

(参考訳)おもてなしをありがとう。君はすばらしいね。そのままでいてください。

この言葉の裏には、こんな意味が含まれている。
”努力してもっと良くなろうとしなくていい。そのままで十分良いから。”
… 最高の誉め言葉じゃないですか。
そんな言葉が自然と口に出せる彼を尊敬するとともに、私もそうありたいと思った。

本当は「そのままでいいはずがない」と思っている自分がいる。
「これでいいなんて思うな。努力して努力して、もっともっと良くならなきゃだめだ」と思い込んでいるところがある。

学校や家庭でそう言われ続けたから。
職場でもダメ出しを受けることもしばしば。
たぶんこれは日本の風潮。

日本人の自己肯定感の低さはここから来ているように思う。
こうやってみんなでで自分の首を絞めて、自分を生きづらくさせる。

UnsplashDakota Corbinが撮影した写真)

Remain the same. と同じような意味で、「ブリジット・ジョーンの日記」の映画に出てくるこんな表現を思い出す。

I like you very much. Just as you are.

(参考訳)あなたが大好きです。そのままのあなたが。

初めてマークがブリジットに告白をする場面の言葉。
自己肯定感の低いブリジットに、最高に嬉しい言葉となるのでした。

“I’m almost furniture here.”

以前勤めていた大学では、在日大使館から大使や大使館職員の方々が来学することがありました。
来訪目的は、学長や副学長への表敬訪問だったり、学生への講演をすることだったりでした。

事前に大使館と訪問の調整をしたり来訪当日のご案内を私がすることもあったので、私も大使館の方々にお会いするチャンスがありました。

大使館の方々は、やはり国によって特徴があるように思います。

大使館の方々はその国の代表ですので、間違いなくお偉い方々です。
なのでそのとおり威厳のある態度をとる方もいらっしゃいますし、その一方、フレンドリーで気軽に話しかけてくれる方もいます。

アフリカの国の大使館の方々は、まずフレンドリーという印象。
冗談を言って、笑わせてくれます。アフリカの特徴的な鮮やかなカラーの服装もいいですね。
アフリカのどこどこの大使が来ると聞くと、当日までとても楽しみです。

その日も、アフリカのある国の在日大使館から大使ご一行が来学されました。
うちの大学を訪問するのはもう4、5回めと大使はおっしゃい、そのあとこう続けました。

“I’m almost furniture here”.

UnsplashDan Cookが撮影した写真

“I’m almost furniture here”.
(参考訳)私はもうこの大学の家具みたいなものですよ。

さずがにこれには吹いた。
家具みたいにここにずっといるようなもんだって?!
そこまで言う?!

この話、何かと誰かを見つけては「この間、あの大使がこんなこと言ったんだよ!」とおしえて笑い、しばらくはこのネタで楽しみました。

大使館職員は国の代表。こんな感じで国の印象を決めてしまいます。
ユーモアは相手に間違いなく良い印象を与えます。
外交は個人と個人の関係づくりから始まって、最後には国レベルまで広がるものだなと思うと、アフリカの大使はどの国よりも良い役割を担っているだろうと思うのです。

” I’m grateful for Nikkei. “

自分の世界観を変えたパラグアイの方の一言。今日はそれを紹介しますね。

パラグアイってどんな国?

パラグアイは、南アメリカにある国で、ブラジルとアルゼンチンの間に位置しています。母国語はスペイン語です。

日本との関係

第2次世界大戦前から日本政府はパラグアイに国民の移住を進めていました。当時の日本は、景気が悪く仕事がない状況でした。特に、沖縄では深刻な状況でした。

そんな背景があり、日本政府がブラジルをはじめ南米への計画移住を進めていたのです。

パラグアイ人の彼女が語る日系人

パラグアイのその彼女は、パラグアイにある小さな大学を設立した学長でした。学長と言えば日本では定年間近の60歳代の教授が務めるとが多いのですが、その彼女は若干40代でした。

彼女の地域にも日系人が住んでいるそうで、彼女が言うには、日系人はとても働き者。そして、大豆の栽培などの農業の技術をパラグアイにもたらしたそうです。

そして、彼女はこういいました。

“I’m grateful for Nikkei.”

“I’m grateful for Nikkei.
They came all the way to Paraguay and brought the wonderful culture of Japan to us.”

(参考訳)「私は日系人に感謝しています。彼らは遠いパラグアイまでわざわざ来てくれて、日本の素晴らしい文化を私たちにもたらしてくれたのです」

、、、私が移民で、こんなふうに迎えてもらったら感激で号泣しちゃいますね。

苦しい生活を抜け出したくて日本を飛び出し、遠い見知らぬ国、パラグアイに旅立った日本人。現地でも苦労したことと思います。そんなみなさんがこの言葉を聞いて、どんなにか救われることだろうと思いました。

新しい価値観

さて、この話は日本から海外に移住したケースですが、その逆を想像してほしいんです。海外から日本に移住したケースです。

例えば、韓国から日本に移住してきた人たち。在日コリアンだとか在日韓国人とも呼ばれる人々。
私たちは彼らに向かって「日本に来てくれてありがとう」と言うでしょうか。

また、フィリピンなどの東南アジアから移住してきた人たちに、「日本に来てくれてありがとう」と私たちは思っているでしょうか。

私たち日本人は、移住者に対して感謝するどころか、「なんで日本にいる?」「なんか危険そう」などの否定的な感情を抱いていないでしょうか。

そんなことを考えれば考えるほど、パラグアイの彼女の言葉の重みに感激し、新しい価値観に触れたことを実感しました。

パラグアイの彼女に心から感謝。

“I would love to meet for coffee.”

海外の人とやりとりをしている中で、英語のかっこいいフレーズに遭遇することがあります。このフレーズを目にしたときも「お~っ、そう来たか~!!」とテンションが上がりまくりでした(笑)

どんな状況で使う?

このフレーズは、カナダのある大学の職員からのメールでした。毎年世界規模の留学フェアが開催されるのですが、「そこでちょっと会いませんか?」と声をかけてくれたのです。

かっこいいポイントは?

“I would love to meet you. ”じゃないところがポイントですね。

“meet you”だと目標を私にねらいを定めて“私に会う”のが目的となりますが、”meet for coffee” だと “コーヒーを飲む”のが目的という感じ。

メールをくれた彼女とは、会ったことがありません。
初対面で、しかも英語ネイティブの彼女に “あなたに会いたい ”と言われたら、私などはどぎまぎしちゃって困ります(笑)

でも、”コーヒーでも飲もう” なら私の緊張もほぐれちゃって、「え~、どうしようかなあ~」とちょっと嬉しくなっちゃいます💕

誰かと会いたいときにさりげなく使える表現

“I would love to meet for coffee.”

初対面やまだそんなに親しい間柄でもないとき、相手が緊張しちゃうのではないかと思うとき、ただちょっと会いたいとき、そんなときに使えるかっこいいフレーズですね。

ところで

それで、お誘いを受けた彼女と結局会えた?

実は会えなかったんです。そのメールをもらった時点でもう会えないことが明白でした。なぜなら、私はその留学フェアへの参加予定がなかったから💦

でも、これからもチャンスはあるはず。そのときには、私が彼女に ”I would love to meet for coffee”. と言ってみたい、、、だけど、私にはまだ当面その度胸はつかなさそう💦